焼酎も好き。
ビールも好き。
日本酒も好き。
ウイスキーも好き。
ブランデーも好き。
ま~,値段に関係なく何でも好きです。
甘酒以外は。
甘酒は,高くても安くても飲めません。

津田沼に住んでいた時。
日曜の夕方。
買い置きしていたトリスの一升瓶を片手に,Strawbs のBursting at the seamsを聞いていました。



ドアをノックする音と共にガチャと扉を開ける音。
「居る?」
「目の前に居るべさ!」
「通りがかったら電気ついてるから,寄ってみたんだ。何やってたんだよ」
「おお!いいところに来た。今飲み始めたとこなんだよ。飲んで行かない?特性のポテトサラダもあるし」
「おおお!いいね。今ポンギで女の子と飲んできた帰りなんだ」と靴を脱ぎながら。
「ポンギ↗?
なんだその脳天気な言い方は。
それに遠いべな。
まあいいや,あがれあがれ」
テーブル代わりの電気炬燵と段ボールのスピーカ。
「相変わらず殺風景な部屋だよね。テレビぐらいねーのかよ」
「余計お世話だよ。それにテレビの無い生活に慣れてっから関係ねーよ」
「何飲んでたのさ」
「ウイスキーさ」
「ずいぶんデカいボトルだよな」
「そうさ。一升入ってる」
「そんな,とんでもないウイスキー売ってるんだ」
「売ってるさ。庶民の味方 トリス だぜ」
「え?」
「トリス飲んだことない?」
「お前。そんなの飲んでたら目つぶれるぜ」
「え?何言ってんだよ」
冗談で行ってると思ったら,どうも本気らしい。
「俺はイラナイ」
「いつの時代の話をしてるんだよ。
戦中や戦後の間もない頃とは違うんだぜ。
それに,メチルアルコールに着色して売ってたら,見事に前科者として有名人なってしまうぜ」
「いい。俺はイラナイ」
彼はこの後,僕のアパートには寄り付かなくなりました。

「トリス飲んで何が悪い!!」

時折,数十年前の友人と交わした,とっても不思議なこの会話を思い出すことがあります。

このお通しを作ってる時も思い出しました。
まな板の上の白菜の浅漬けを「トントン」
彼は今頃どうしてるのだろう。

今でも,トリスなど飲むことなく,ポンギでおねーちゃん達と仲良くしてるのだろうか。
ポンギが好きで一本気に六本木通ってたりして。
「ま~,どうでもいい事だけど」

お通し:モズク酢と白菜漬



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