初めての一人暮らし。
自炊を初めてから数か月たった蒸し暑い日。
帰宅してドアを開け部屋に入ると。
相変わらず「モワ~」って熱気が部屋に充満していました。
僕の借りたアパートは,網戸がありません。

僕は網戸には縁が無くて,引っ越した先々で網戸が無いんです。
安いアパート選んでるからなんですけどね。
でも就職して数年後に引っ越した3LDKのマンションも網戸なかったですね。
開け放って寝ていても蚊とか来なかったけれど。

自転車で30分汗だくで帰って来ても,部屋に入るとさらに汗が噴き出すんです。
そして,そそくさとご飯を炊飯器にセットして,銭湯に行くわけなんですが。
炊飯器と言っても保温機能等ない,炊く事しかできない電気炊飯器です。
銭湯も徒歩で20分以上。
お風呂ですっきりしても,汗だくで帰宅して,部屋に入って汗だく。
この銭湯が一番近い銭湯だったのですけど,19時過ぎると芋洗いになるんです。
ゆっくり入るために帰宅してすぐに行くことにしてました。
16時に授業が終わって,晩御飯の材料を購入しながら帰宅。
それから出かけるので17時過ぎになる訳です。
ある日1時間ほど早く帰宅した時すぐに銭湯に行ったんです。
「カコ~~ン」
「お~滅茶苦茶空いてるぜ!」
いつもは子供の声など,話し声が溢れている脱衣場と浴室。
「カコ~~ン」
と銭湯内に響くなぜかとっても虚しい音。
浴室に入っていくとそこには
浴槽の縁に腰かけ「ボー」っと黄昏てるじっちゃん。
湯船の中で目が「トロン」してしまってるじっちゃん。
洗い場では,椅子を使わず床に「ペッタン」と座ったまま動かないじっちゃん。
動きがないのです。
たまに動いたときに,持っていた洗い桶を置く音。
「カコ~ン」
じっちゃん,ばっちゃん(男湯だからばっちゃんはいないか)しかいません。
「ムムムなんだこの雰囲気は」
「世紀末だ~」
等とっても失礼な事を思ってました。


とってものんびり湯船につかる事も出来て,脱衣場でゆっくり涼んで帰宅。
でもやっぱり汗だく。
そして夕食の準備に取り掛かる訳なんですが。

このころになると何故かとっても虚しいことに気づき始めてました。

①食べるための材料の調達時間。
②加工・加熱など調理に要する時間。
③食べてる時間。
④食べ終わった後の後片付けに要する時間。

それぞれに要する時間が余りもの不公平すぎるという事。

明らかに①+②+④>③
これは仕方ないとしても
①>③
②>③
④>③
何という事だ。
どうだらだら食べてもこの不等式は変わらないわけです。
「ウ~ン。食べるためには多くのエネルギーが必要なんだ・・・虚しい・・・けど仕方ないか」

このとき手持ちの調理器具は,
鉄製フライパン,直径約120㍉の鍋,電気炊飯器。
まな板と包丁。
夕食に半年もご飯だけ食べ続けてると,
麺類食べたくなるんですね。
スパゲッティーやきしめんを食べたくなるわけです。
部屋に冷蔵庫などないので,
生めん類は保存できませんから,
乾麺類を茹でることになる訳です。
しかし,一人前と言えども直径約120㍉の鍋では,
マニュアル通り麺をゆでることはできません。
茹でるためのお湯が足りませんから。
たとえ無理に茹でても,
麺と麺がくっついてしまったりして,
「シコシコ」って言う麺にはとっても程遠いものになる。
「う~ん。困った。食べたい!」
お湯をたくさん入れるという事は,
お湯が対流して麺同志が程よく混ざり合い,
均等に熱が通るという狙いがあるのだろう。
じゃ混ぜ続ければ,
少ないお湯でも美味しく茹で上がるんじゃないかな。
ってことでやってみました。
ちょっと疲れるけど。
そして,とってもうまくいったのです。小さい鍋も工夫次第
僕は,おそらく純粋に右利きなんですが朝の歯磨きは左手で行ってます。
そして,寝る前の歯磨きは,右手です。
なんでそんなことしてるのかは,
あまりはっきり覚えてはいないのですが。
あるテレビ番組で,
オーケストラのティンパニー担当の人に,
右手と左手の差をなくすための練習方法を聞いてました。
それが左手で歯を磨くだったのです。
もう数十年になります。
面白いのは右手より左手の方が磨き残しが無いようです。
右手は条件反射的にあるいは惰性でも磨けちゃうからかなって思ってます。

ですからかき回すぐらいなら左手も苦にならないのです。
右手は時計回りに回すのが楽で,
左手は反時計方向に回すのが楽なんですね。
関節の構造からそうなのかな?